【1ヶ月の時間外労働】教員時代の1日を徹底解説(平日編)【平均は何時間?】

教員時代の話

はじめに

こんにちは、りんくです。
今日は私が教員をしていた頃の1日を紹介しようと思います。

とは言っても1週間の中には平日と土日があるわけで、その区別なく仕事をしているのが教員という職業です。今日はひとまず平日の過ごし方を振り返ってみることにします。

ついでに比較のため、最後に今の1日の過ごし方も紹介したいと思います。

では、早速。

教員時代の1日

大前提としてですが、私が勤めていた地域では、「朝課外」というクレイジーな習慣がありまして、普通だと部活の朝練などがある時間帯に課外授業を行い、しかも全生徒に強制的に受けさせていました。
私の住んでいた地域ではこれが普通であり、朝課外がある学校にしか務めたことがないため、それを前提にお話をさせていただきます。
この朝課外についてはYouTubeで詳しく説明していますので、もしよければご覧ください。

さて、それでは私の1日の過ごし方を紹介したいと思います。
私の1日を大雑把に図にするとこんな感じです。

教員時代の1日

朝:起床〜通勤

● 6:30 起床

朝課外があるため遅くとも7:30には学校に着く必要があります。
私は朝の準備が極端に短くて済むという特殊能力を持っていたため、毎朝6時半に起きていました。
起きてすぐにかなり少なめの朝食を食べ、めざましテレビかZIPを見ながら支度をします。
学生時代からの悪い癖で、5分〜10分程度の二度寝を挟んでしまうのですが、それも含めて30分強で準備を終えていました。

● 7:05 通勤

5分単位で時間刻んでますが、だいたいこの時間に家を出ていました。
当時は車通勤で、幸いにも家から近い学校しか務めたことがなかったため、通勤時間は最長でも20分でした。一番近い学校では通勤時間7分でしたね。
車の中で好きな音楽を聴いてできるだけ気持ちを高めていたのですが、7分で通勤していた頃はほぼ1曲しか聴くことができず、その1曲の選曲が非常に重要だったのを覚えています。

午前:出勤〜朝課外

● 7:25 学校到着・登校指導

車で20分程度走ればそこは学校。
生徒も朝課外に出席するために続々と登校しています。早い先生だと7時には来てたりする人もいるそうなのですが、そんな時間に来る理由が見つからなかったため私は基本的にかなりギリギリに登校していました。

学校に到着すると基本的にそのまま職員室に向かいますが、正門や通用門では朝の登校指導をしています。
門の付近に立って登校してくる生徒に爽やかに、時に無愛想に挨拶を投げかけるあれです。僕はこれが本当に嫌いでした。やる意味がないとは言いませんが一つの門に5人も6人もいる必要はないと思いました。
今は違う学校も多いですが、僕がやっていた頃はこの時間は無給でした。完全にボランティアで生徒と挨拶を交わしていたわけです。
比較的若い先生や、初任者の先生、講師の先生は駆り出されることが多いのですが、私は講師時代からほとんど参加していませんでした。お前もやれよ的な雰囲気を出されることがあるので、たまにほんの数分だけ校門に立ってやった雰囲気を出していました。

そんなことをしていると朝課外が始まります。

● 7:40 朝課外開始

学校によってまちまちですが大体これくらいの時間に始まります。課外授業の時間は45分が相場です。正課授業の50分より5分短いですね。
教科によってやる内容はさまざまですが、全員強制であるが故に正課授業の延長である感が強く、普通に定期考査の範囲を消化していたと思います。普通にありえないし、普通にダメなんですけどね。
私が教員をしていた頃はどの学校も強制的に朝課外を受講させていました。ですが、私が辞める年、最後の1年でようやく情勢が変わり、任意の受講に切り替えることになりました。課外授業に強制参加は流石におかしいだろうということに人々がようやく気づき始めた頃です。中には朝課外を完全に廃止する学校も出てきて、長年の呪縛から本当に解放されるのだなと思いましたね。

朝課外の話はYouTubeにもあげていますが、今度改めてブログにも書きましょう。

職員朝礼〜終業まで

時間割の例

8:30分からやっと勤務時間の開始となります。
ここで改めて、とある1日の時間割を例にあげて、細かく何をしていたか紹介したいと思います。

ある日の時間割(6時間授業の日)

まず前提として担任をしていたときの時間割だと思ってください。
基本的にどんな教科でも、一人当たりの1週間の授業時数は18時間が上限だと思います。担任をしているとそれに加えて「ホームルーム」、「総学」の2時間が強制的に加わるので合計20時間となります。
担任であることを配慮して教科の授業時間を減らしてもらえる場合もあるのですが、私は情報の授業を持っていましたし、一番したいことである数学の授業が減るのは嫌だったので1週間20時間のコマ数で働いていました。1週間は5日しかないわけなので、平均して1日4時間授業を行うことになるため、今回の例もそのようになっています。

● 8:30 – 8:40 職員朝礼

朝イチで行われるのは職員朝礼です。教頭先生が進行を務めて、各分掌、学年からその日の連絡事項が伝えられます。
全体が終わった後は学年の朝礼。学年主任の先生がその日の連絡事項をまとめたA4のプリントを用意していることが多く、それを見ながら1日の流れを確認します。今後の行事予定や、配布物、回収物などの確認が行われることが多いです。

● 8:40 – 8:55 朝読書・HR

職員朝礼が終わり次第クラスに行きます。生徒は8:40になったら教室に入って朝読書を始めています。
朝読書は10分なので、残りの5分で朝の連絡を終わらせます。
個人的には自分も読書をしたいのですが、朝の連絡を5分で終わらせなければならいのでこの時間に話す内容をまとめていました。後はクラス全体を見渡して、欠席がいないかの確認や、掲示物の貼り替えなどもこの時間に行っていました。

私は朝のHRは簡単に終わらせるタイプだったので、「これだけは気をつけてくれ!」と思うことを述べてかなり早めに終わっていたと思います。

● 9:00 – 12:50 午前中

午前に3時間授業がある日は結構辛いです。なおかつこの時間割のように3・4時間目にも授業を入れられてる日は昼食をゆっくりとることができません。
これはとても残念な時間割です。この時間割を作った教務の先生には人の心がないのかな?と思ってしまいます(冗談です)。

午前中に3コマも授業がある日、何が大変かというと、唯一の空きコマである2限の間にやりたいことをほとんど終わらせなければならないことですね。
数学の先生は毎日課題的なものを作るのが好きなのは全国共通なのではないかと思っているのですが、私が勤務していた高校もそういう風習がありました。毎日課題を出して鍛える的な。
私も仕方なく課題のプリントを毎日作り、印刷し、そして生徒が提出したその日の課題をチェックしていました。
真面目な先生はプリントの丸つけまでしてあげていましたが、私にはその時間はなかったし、丸つけすることに意味を感じてないわけではないのですが、答え合わせは自分でして、自分の目で模範解答と見比べて何が違うか確かめてくれよなという気持ちでいたこともあり、かわいいピカチュウのハンコを押すにとどめていました。

そんなことをしていたり、クラスの雑務をしていると50分などあっという間に終わってしまいます。

ちなみにこの時間割は3限が数学で4限が情報なので、教室 → 職員室 → パソコン教室という地味にめんどくさい移動が挟まれているのが本当にめんどくさいです。(パソコン教室は普通教室より離れた場所にあることが多いため。)
時間割を作った教務の先生には…(略)

そんなことをしていると午前中が終わってしまいます。
授業と課題点検・作成しかしてねぇ……。

● 12:50 – 13:35 昼休み

教員は1日の労働時間が6時間より長く、7時間45分以下なので、45分の昼休憩が与えられます。
……が、今回のように3・4限が授業で埋まっている場合、基本的に45分間フルで昼休みを取ることはできません。なぜならこちらの昼休みなどお構いなしに生徒がやってくるからです。
課題の再提出、遅刻指導、授業に関する質問、行事前だと委員会がねじ込まれたりもします。
こんな感じで職員室にいると基本的に休憩できません。
ですので私は情報科の担当でもある特権を活かして、1人になりたい時はパソコン教室やその隣にある準備室にこもっていました。
こういう時だけはパソコン教室がちょっと離れたところにあることが良いことのように思えてしまいます。
今思えば準備室がある教科の先生ってそこにこもってること多いですよね。社会とか理科とかが多いイメージです。

● 13:35 – 15:55 午前中

午後の部スタートです。
5限の授業は睡魔に負けそうな生徒と、その睡魔と戦いながら授業をすることもしばしばです。
ですが個人的にはこの5限目のゆるい雰囲気が好きでした。
そして5限終わった後の6限が空いているパターンの時間割も好きでした。
「やっと1日が終わったな」、という気持ちになるからです。全然終わってないですけどね。

空いた時間はクラスの雑務や、校務分掌の雑務をしていることが多いですね。
本当であれば授業準備とかをしたほうがいいのかもしれないですが、私は50分みたいな短時間では授業準備ができないタイプでした。割とまとまった時間を使って色々考えながらやるタイプだったので、放課後にやることが多かった気がします。

教務部にいた頃は時間割変更をしなければならなかったため、時間割と睨めっこしながら、「あの人の国総をあっちに移動して、この人の現代社会をこっちに持ってきて」みたいなことをしていました。
この作業がめちゃくちゃめんどくさいんですよ
「当事者同士で交換してくれりゃいいのに、なんで教務部が面倒見なきゃいけないんだよ!」という気持ちでいっぱいでした。
この時間割作業については本当に色々と言いたいことがあるのですが、それはまた別の記事にします。

そんな不毛な作業をしていると午後の部があっという間に終わってしまいます。
午後は2時間しかないですからね。

6限終了後はすぐさま掃除をします。僕はこの掃除の時間が好きではありませんでした。
自分で掃除するのはいいんですが、やる気のない人々と掃除をするのが苦痛で。

帰りのホームルームには、どのクラスよりも早く終わってやるぞという気持ちで望んでいました。
理由は簡単で、一刻も早く教室を出て職員室に戻りたかったからです。
終礼は基本的に、日直が連絡を行い、その後担任から連絡をして終わりという形でした。
私からの連絡は本当に短かったので、大体一番乗りで職員室に帰っていました。
でもたまに他のクラスの先生に負けることがあり、その時は悔しかったですし、自分もまだまだだなと思いましたね。(何がかは分かりませんが)

● 15:55 – 17:00 終礼後〜終業まで


17:00が定時なので、勤務時間は“一応”残り1時間となります。所謂「放課後」と呼ばれる時間ですね。
この時間はできればのんびり授業準備とかをやりたいのですが、まだ勤務時間であるのをいいことに職員会議や学年会議、分掌会議、ひどい時には職員研修などがねじ込まれてきます。
空き時間には会議的なものをねじ込まないと気が済まないのが学校という組織です。
右からねじ込まれてきたものを左に受け流せればどれだけ楽だろうと思いながら出席していました。

会議などが何もない時でも、終礼後しばらくは生徒の対応などして、16時15分くらいになってやっと全てから解放されるような感じだったかと思います。

この時間になってやっと授業準備に着手できるという感じでしたね。

● 17:00 – 20:00 定時後

17:00になるとチャイムが鳴ります。これは生徒にとっては意味のないただの5時を告げるチャイムですが、教員にとっては終業を告げる重要な意味を持つチャイムです。
いや、重要だと思っていたのは僕だけかもしれません。僕が最後にいた学校ではそもそも終業のチャイムは鳴ってませんでしたし。そういうとこが残念だなと思っていました。
兎にも角にも17時になれば仕事が終わります。
……が、ここで帰る人はほとんどいません。

部活に行ったり、授業準備をしたり、校務分掌の仕事をしたり、クラスの仕事をしたり、放課後の課外をしたり、受験生の指導をしたり……、もしかして17時に鳴っていたのは始業のチャイムだったのではないかと思ってしまうほど人々は仕事をしています。

僕もこの時間を使って授業準備やクラスの仕事をしていましたね。教務の時間割の仕事や、生徒会の行事の準備などもこの時間じゃないとなかなかできませんでしたし。
今日は18時くらいで帰っちゃおうかなーと思いながらも、結局19時、20時となってしまうという毎日でした。
もちろん本気で何もなくて早く帰る日もありましたけどね。考査前とか考査中とか……とか?

私は基本的に20時までには学校を出るようにしていました。それ以上残ってもすることがないですし、できる限り早く帰りたいと思っていたので。
でも上には上がいるもので、それより遅くまで残っている人もちらほらいるのが地味に怖かったです。
割と同世代くらいの先生たちで残っている人がいるんですけど、いったいその人たちが何をしているのか、僕は怖くて聞けませんでした。

職員昇降口を出て、車に乗り込んだところで本当に終業です。

夜:退勤後

仕事を終えるのは「夕方」ではなく決まって「夜」です。

20時20分ごろに家に着きます。お風呂に入り、ご飯を食べればもう21時過ぎ。
私は実家に住んでいたので、帰り着いた瞬間にご飯を食べれるのは本当にありがたいことでした。
0時に寝るとしても自分のことをできるのは2時間ちょっとです。19時台に帰ってきたとしても3時間程度。
今思えば自分の時間が本当に少なかったなと思います。
朝も早いため結構疲れも溜まっているし眠いし。何か自分の好きなことをしよう!みたいな気持ちにはあまりならなかった気がします。
ひたすらYouTubeを見たり、テレビを見たり、怠惰な時間を過ごしていたような。

私は職場が比較的近いほうだったのでまだいいですが、中には40分とか1時間とかかけて通勤している先生もいるわけで。
帰った時点で21時を過ぎている人もいるんですよね。
まともな生活じゃないなと思っていましたし、今も思っています。

こうやって僕の1日は終わっていました。

現在の1日

参考までに、今現在の私の1日の過ごし方を記しておきます。

8:15起床
9:10通勤
9:30職場到着・仕事開始
1時間のお昼休み
18:00仕事終わり・退勤
18:20帰宅・夕食等
19:20自由時間

教員時代に比べて自由時間が2時間程度増えました。人間らしい生活をしているなと思います。

おわりに

教員時代、僕は7時半に学校に来て、20時に学校を出る生活をしていました。少なく見積もっても学校を出るのは19時半とかだったので、最低でも12時間は学校にいたことになります。
まともに休み時間を取れるのは30分くらいなので、実働11.5時間です。
定時は8:30 – 17:00 の7時間45分ですから、平均して3.75時間の時間外労働をしていたことになります。
これを20日行えば、

3.75 ✖️ 20 = 75 (時間)

になります。

もちろんこれは理論値なので、実際にはこれより少なかったと思います。
ですが、土日の部活などを入れると結局、月80時間程度の時間外労働をしていたはずです。
月80時間の時間外労働が2ヶ月以上続くと、過労死の原因とみなされるレベルになり、とても危険です。

転職した今だからこそ思うのですが、月80時間も時間外労働するというのは明らかにおかしいです。
普通なら上司が40時間くらいになった時点で上司が止めるはずですが、学校現場で長時間勤務を止める管理職の姿をあまり見たことがありません。とても残念な話です。

命を危険に晒しながら仕事をしていたんだなと思います。

今、教員として働いている方には本当に頭が下がりますし、日々教壇に立って児童・生徒たちと真面目に向き合っていることに尊敬しています。
そんな尊い存在だからこそ、ご自分の健康には十分気をつけてください。

また、今教員を目指して勉強している方も、その志の高さは素晴らしいと思います。
ですが実際に教員になった時、目の前の児童・生徒たちと同じくらい、自分の体も大事にしてください。

私は他の教員から見れば怠けていたように見えたかもしれないし、楽してたように見えていたかもしれません。(ちゃんと頑張ってましたけど。)
でもそれは自分の限界を知っていたからで、ちゃんと仕事を続けていくために限界を超えないように気をつけていただけです。

今となっては自分がどれだけ時間外労働をしていたのか正確に知る術がありません。
勤怠は遥か昔からある印鑑を押すタイプの出勤簿でしか管理されておらず。正確なデータはそもそも記録されていないからです。給与明細は全て取っていますが、そこには時間外労働の情報は何もありません。

タイムカード的なものを導入している学校も増えてきているかとは思いますが、ぜひ、それぞれで正確な労働時間を記録しておいてくださいね。
子供達のために頑張った何百時間、何千時間という時間がなかったことにされてしまう可能性がありますから。それはとても悲しいことです。

今回は私の教員時代の1日を振り返ってみました。
書いていて思いましたが、これは色々バリエーションがありそうです。
「土日編」は当然(なのが悲しいですが)あるでしょうし、「7時間授業編」、「考査前編」、「考査期間中編」、「土曜課外編」くらいまではありそうです。
需要があるか分かりませんが、ネタになりそうであれば書いてみたいと思います。

それではまた。

教員時代の話
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